1998年4月30日(木)

     白老--→道央道--→深川--→留萌--オロロンライン--→ニシン番屋--→初山別

夜中に妙な音で目がさめた。遠くできつねの遠吠えが聞こえる・・・。冷え切った空気の中で、その声だけがキンキンと響いてくる。しばらく耳を澄ましていると、テントの横を歩く足音。どうやら4本足でトコトコいているようだ。キャンプ場の管理人さんが、「食べ物の残りはテントにしまって寝てくださいね。夜、北きつねがやってきますから」って言ってたけど、本当でした(^^; でも自然と一体って感じで悪い気分じゃないね。熊だったら大変だけど(^^;

朝5時に鳥たちの声で目が覚めました。いろんな声がします。カッコウ、キツツキ、ウグイスなどなど。
心地よい目覚めだ。早々にテントを撤収し白老をあとにする。

今日の目的地は道北の初山別付近。オロロンラインをひたすら北上する。途中、にしん番屋によって、昔の鰊漁の様子や、働いていた人たちの日常を知る資料館に立ち寄る。ついでに昼食に「にしんそば」と「にしん定食」を試す。なかなかおいしかった。

 
ニシン番屋

 午後2時頃には、目的地の初山別に着いたが、キャンプ場が海沿いにあるため、風が強い。この日は晴天だが、道内には波浪強風注意報が出されていた。車から外に出ると、体感温度が低いせいか5分といられない。ガイドブックで他のキャンプ場を探したがこの時期営業しているキャンプ場が他にない為、急遽キャンプを中止し、宿を探す。幸い近くに町営の温泉センターがあり、宿泊もできるとの事で、1泊2食5,000円で泊めてもらうことができた。

    

 夜、初山別にある天文台に出かける。ここでは、一般の人でも、大きな望遠鏡で夜空の星を観測させてくれるのだ。夜になっても風がおさまらず、かなり寒い。天井が全開なので凍えそうだ。しかし、空は雲一つなく、空気も澄んでいるので、絶好の観測日和。初めて月を覗いた時、感動で声がでない程だった。クレータの一つ一つがクッキリと見える。惑星も見たかったのだが、この季節は太陽の近くにあるので、見ることができないのだ。その代わり、デジタル通信衛星の移動を約10秒間肉眼で確認することができた。

 その他、ドーナツ星雲、うずまき星雲、銀河などを見せてもらった。地球という星が生まれた奇跡を考えさせられる2時間だった。宇宙の中の地球という存在を知れば、核開発を進めることが、どんなにばかげたことなのかを気づくはずなのに・・・。人間てなんておろかな生き物なんだろう。こんなにすばらしい自然に恵まれた星は、奇跡の奇跡の奇跡なのに・・・・。感動と共に、いろいろと考えさせられる一日だった。