2003年 東北日記




2003年7月17日(木)〜20日(日)
 練馬 --→ 国道4号 --→ 仙台 --→ 厳美渓 --→ 中尊寺 --→

     幽玄洞 --→ げいび渓 --夏油温泉

     夏油温泉 --→ 高村山荘と高村記念館 --→ 小岩井農場 --→

     山形高畠 --→ 赤湯 --→ 新潟 --→ 練馬

     


7/17(木)


仕事から帰って、準備をしてお風呂に入ってから近所のとんこつラーメンのうまい店で食べて22:00出発。空腹すぎて気分が悪くなり、結局とんこつの強烈なにおいにやられてだいぶ残してしまった。残りを相方に任せたので、ほぼ二人前を平らげた相方は、大汗をかいていた。すいませんなあ・・・。みなさんも空腹時のとんこつには要注意ですよ。

今回も一般道の旅。4号線をひたすら北上することにした。23時すぎには相方に睡魔が襲って危険だったのでコンビニで休憩後運転交代。小雨のぱらつく国道4号線だったが、2車線の区間が多く、夜間のためトラックばかりでもかなり快適に走ることができた。相方は助手席をフラットに倒して爆睡中だったので、ラジオが旅の友。ナイナイのオールナイトニッポンなんぞを聞きながら福島を通過。深夜2時過ぎに相方が起き出して運転を代わってくれてからは私が爆睡。いびきまでかいていたらしい。

明け方仙台を通過。相方が腹痛でコンビニのトイレに駆け込むところで目がさめた。やっぱりとんこつを2杯食べさせたのがいけなかったのかな?などと考えつつ運転を再度交代。コンビニを通過する度にトイレに行くか確認していたが、しばらくすると眠ってしまったようなので、そのまま走り続けた。道の駅三本木でしばし仮眠。のつもりが、3時間近く寝て起きたのが8時を過ぎていた。顔を洗ってさあ出発。

岩手に入ると、雨も止んできた。まずは、景勝地の「厳美渓」へ寄ってみた。生憎のお天気にもかかわらず結構観光客の姿も見られた。写真をとりながら、人のむらがっている場所へいってみると、なにやら籠の中にお金をいれている。入れ終わったら木槌のようなものを「コン」と叩いた。すると、籠が川を挟んで対岸の方へするすると登っていく。どうやら対岸のおまんじゅう屋さんまでロープが伸びているようだ。しばらく眺めていたら、今度は籠がすごい勢いでこちらへやってくる。中には、おまんじゅうとお茶の入ったやかんが!いろんな商売を考えるものだなあと感心してしまった。

     
     籠にお金を入れる→お饅頭が対岸から!

さて次は、有名な金色堂のある中尊寺へ向かいます。さすがに観光地だけあって観光バスや団体客の姿が目についた。参道は日光街道に杉並木のような巨大な杉に囲まれている。杉の木一本一本に番号の札が打ち込まれているのが気になった。緩やかな上り坂が続くので、結構しんどい。入場料一人800円を払って、まずは宝物館へ。相方に奥州藤原氏3代までを述べよって言われたが、みんな「衡(ひら)」がつくことくらいしか覚えていなかったのでバカにされた。ちなみに正解は、藤原清衡、基衡、秀衡、です。日本史をとっていた人は覚えているかも。(私も日本史とってたが・・・)金色堂は、現在コンクリートの外壁にかこまれ保護されている。建物内に入って黄金に輝く堂を見てさすがにびっくりした。栄華を誇った藤原氏を彷彿とさせる。説明のテープを聞くまで恥ずかしながら知らなかったのだが、中央の須弥壇の中に清衡公、向かって左の壇に二代基衡公、右に三代秀衡公の御遺体と泰衡公の首級が納められているとのこと。なるほどそういうことかと妙に納得してしまった。堂内撮影禁止のため写真がないのが残念。

     
     中尊寺 金色堂

中尊寺の中には、その他に、能舞台や、コンクリートで覆われる前に使っていた金色堂の外側を保護する建物(覆堂)も移築されて残っていた。芭蕉などは、この建物の中にほの暗く光る金色堂を見ていたのだななどと想像するのもまた楽しいもの。ここで芭蕉の一句。「五月雨の降り残してや光堂」金色堂を光堂と称したのも、仏たちと人との間に介在する光と、その光の彼方にある盛衰の歴史に芭蕉がまなざしを向けていたからなどといわれる。

1時間以上中尊寺を楽しんで駐車場近くまで戻ってきた。お昼を過ぎてお腹も減ってきたので、おみやげ&食堂のようなお店に入る。盛岡の冷麺があったので、二人とも揃って注文。やっぱりおいしい。盛岡冷麺大好き〜。

     
     盛岡冷麺

お腹も満足して、次に向かったのは、「幽玄洞」。鍾乳洞があるらしいのだ。ちょっと入口で料金を確認しようかと思った程度だが、「いらっしゃいませ〜」と声を掛けられてしまった上、私たちのほかに誰もいないひっそりとした状況だったので、タイミングを失い、しかたなく一人1000円という料金を支払って鍾乳洞へ・・・。前にあぶくま洞へ行ったことがあるのだが、その小型版といったところか。ただし、私たち以外誰もいないという恐怖があった。その上坑道が狭く、結構怖かった。とりあえず声を出して進もう。上からしずくは落ちてくるし、足元も濡れていてすべりそうだ。ちょっとした探検気分が味わえたのでよしとするかな。外に出たとたんに相方のメガネが真っ白に曇ったのが笑えた。

次は、げいび渓だ。船で渓谷を観光するらしいのだが、今ひとつそそられるものがなかったので、船に乗った人たちをしばらく眺めただけで帰ってきた。紅葉の時期がいいかもしれない。時間もそろそろ15時すぎたので、今夜の宿、夏油温泉に向かおう。

      
   げいび溪                                 夏油温泉観光ホテル外観

去年のゴールデンウィークに夏油温泉の付近まできたのだが、冬季通行止めで断念していたので、今回はリベンジだ。私たちにしてはめずらしく、宿を事前の予約済み。夏油温泉は、山の中にある秘湯と呼ぶにふさわしい場所だった。私たちの宿泊した夏油温泉観光ホテルのほかに、夏油元湯と国民宿舎がある。点在する露天風呂に入るには、夏油元湯で400円を支払う。(もちろん宿泊している人はタダだが)。部屋に荷物を置いて、浴衣に着替えて、早速行くぞお!点在する露天風呂は、基本的にすべて混浴。時間帯によって女性専用になったりするところもあった。まずは一番奥の「大湯」へ。一応男女別の脱衣所があるのだが、湯船はひとつ。先客の男性が6〜7人。おばさまが一人。お湯はかなり熱めだ。若い女性が湯加減を見にきたが、湯船に手を入れた後、、私の真っ赤な体を見て、「真っ赤ですね・・・」の言葉を残してそのまま去っていった。

      
    疝気の湯

疝気の湯も川沿いにあり、こちらは、大湯に比べてぬるめのお湯だった。誰も入っていなかったので、のんびりと浸かる。といっても大湯の入口から丸見えなので、見られているという意味では一緒だが・・・。

滝の湯は、丁度男女入れ替えの時間。男性の時間帯になったため、相方だけが楽しんだ。

      
   滝の湯                                 女(目)の湯

次は、ちょっと離れた場所にある真湯と女の湯へ。女の湯が女性専用の時間帯だったので、相方は真湯、私は女の湯で楽しんだ。さすがにお湯のはしごは、疲れる。長湯は危険です。

        
   洞窟蒸し風呂

さて、楽しみにしていたひとつに、「洞窟蒸し風呂」があった。夏油山荘の裏手から、小道をしばらく進んだところに洞窟があり、そこに温泉が沸いているのだ。でも残念なことに保健所からの通達で、入浴禁止になっていた。雰囲気だけでもお楽しみくださいとかかれていたので、洞窟の中へ進んでみた。夕方で薄暗くなりつつあったこともあるが、内部が真っ暗でよく見えない。カメラのフラッシュを光らせてみたが、結構奥は深そうだった。洞窟内部はサウナのように蒸し暑く、やっぱり相方のめがねは真っ白に曇って何も見えなかったらしい・・・・。

ホテルに戻り、今度は、ホテルにある露天風呂へ。渡り廊下から外に出て、ホテルの裏手を川まで下っていったところに露天風呂はあった。新太郎の湯だ。相方は先に内風呂に寄ってから来るというので、私だけ先にやってきた。先客は初老のおじさん二人。ここも混浴なので、ぱっと裸になって湯船にすべりこんだ。湯船と川が同じくらいの高さにあって自然と一体化している感じで、かなり気に入った。おじさんたちと談笑していると、今度は若めのお兄ちゃんが入ってきた。おじさん二人がすぐに上がってしまったので、お兄さんと二人きりになってしまった。なんとなく気まずい。早くこいよ相方!と内心ぶつぶつ言いながら、お兄さんと談笑。温泉の話などをしていたが、ネタも尽きたので、相方が来る前に上がってしまった。着替えていると相方登場。遅いよ。混浴全然OKな私だが、さすがに若いお兄ちゃんと二人きりでお風呂に入るは恥ずかしいのであった。

      
   新太郎の湯

すっかり長湯で疲れてしまったが、部屋の戻るともう夕食開始の時間がすぎている。急いで食堂へ向かう。宿泊客のほとんどが既に食べ始めている。とにかく水分!生ビールをください!「ぐびぐび」一気のみだ。ふう。おいちい。
鮎の塩焼きも美味でしたよー。ご馳走様でした。

   
   夏油温泉観光旅館の夕食

夜通し走り続けたので、夕食後19時すぎに部屋に戻ったら、布団の上でごろんと横になり、いつの間にか二人とも爆睡してました。気づいたら午後10時すぎ。そのまま寝てしまいました。

翌朝は5時起床。早速朝の露天風呂を楽しみます。川のせせらぎを聞きながら、二人でのんびりしちゃいました。誰もいない早朝の露天風呂って最高ですなあ。裸で、川にも足をつけちゃいましたよ。

朝食後、8時半に夏油温泉を出発。小雨がぱらついてきました。まずはどこにいきましょうか?とりあえず、高村山荘と高村光太郎記念館に向かいました。私の中では作家としてのイメージが強かったのですが、彫刻家としても有名だったんですねー。十和田湖の乙女像も光太郎の作だと知った。高村山荘は、昭和20年から7年間実際に住んでいたところだということですが、東北の寒さを思うと、本当にそんなところで生きていけるの?というほどの小屋に毛の生えたような場所だった。自分に対して厳しい人だったのだろうか?教科書に載っていた「檸檬哀歌」のイメージが強い私にとって全く違ったものを感じたのだった。もう一度「檸檬哀歌」を読んでみたくなった。大人になった今、きっとまったく別な感想を抱きそうな気がする。

次に、鉛温泉に向かう。ここは、「立って入る温泉」なのだ。浴槽の深さが1.2mあって、下からお湯が沸いている。ここも混浴。若いお姉さんが覗いていたが、男性ばかり(女性は私一人)だったので、あきらめたらしい。後で内湯の女性風呂にいくと、入りたくても混浴だと入れないと嘆いている女性がいた。やっぱり普通ははずかしいもんねー。

    鉛温泉 藤三旅館の外観


さて続いては、小岩井農場まで足を伸ばそう。約2時間の道のり。到着する頃には、お昼近くなっていた。レストランでオムライスとカレーを食べた後、ブラブラとまわる。羊の追い込みショーは丁度終わったとこらしく見れず。羊や馬などを見て、お土産屋さんをひやかす。2時間ほど遊んで、小岩井農場を後にする。さて、今夜はどこに泊まろうか?

      
   オムライス                               小岩井農場

キャンプ場を探すが、小雨が降っているために、できればバンガローかロッジがよかったが、この3連休どこも一杯だ。考えた末、いつも行く、山形のキャンプ場まで行くことにした。岩手からだと、250キロ近くある。既に14時をすぎていたのでしかたなく高速に乗ることにした。

どうにか、山形に17時過ぎに到着。予想通り私たちのほかには誰もいなかった。小屋の中にテントを張って、夕食の材料を調達しに、赤湯まで出る。いきつけの肉屋で米沢牛を買い、今夜はしゃぶしゃぶだ。キャンプ場に戻る前に赤湯の公衆浴場に。今日は「大湯」にしよう。赤湯の公衆浴場は、ありがたいことに入浴料100円。すっかりあったまった。

   
   赤湯 大湯の外観

キャンプ場に戻りしゃぶしゃぶの準備をするころには、20時をすぎていた。誰もいないところでのんびりしながら、22時すぎまでおしゃべりしていた。夜中に本格的な雨になったようだ。そうそう、夜中にひとつ事件があった。私は気が付かなかったのだが、相方によると、テントの近くで、足音がしたらしい。誰か来た!と息を詰めていたが、小屋の前あたりで足音が止まったままシーンとしている。しばらくしたら、テント脇でガサっとビニール袋のゆれる音がしたので、テントの内側から「ドン」とテントをたたくと、テーブルの上に載せてあったものが、「ガッチャーン」と落ちる音。どうやら動物が残り物を狙って近づいてきていたらしい。音にビックリして、テーブルに体をぶつけながら逃げていったようだ。動物の正体はきつねなのかネコなのか、何だか結局わからなかった。人間じゃなくてよかった。

次の日は雨。朝9時前にもう一度赤湯温泉に入ってから出発。新潟方向に向かううちに雨が上がり、陽がさしてきた。お昼すぎに新潟へ出て、そこからは国道17号で帰ってきた。かなり長距離移動になった。家に着いたのは22時すぎだった。お疲れさまでした。