2002年4月26日 〜30日
4/26(金)

 会社から急いで帰り、お風呂で汗を流した後、午後8時に出発です。今回は北海道へ行く途中、ついつい通り過ぎてしまうだけっだった東北地方の温泉を中心に周る予定。ちょっと変わった趣向で、「有料道路を一切使わない」旅にチャレンジしてみることに。

 まずは、国道17号をひたすら北上。やはり東京近郊は混んでいる。「山田うどん」で夕飯食べようって言ってたんだけど、街道沿いには全然見当たらない。お腹はグーグー鳴るし、道路はのろのろ。もう限界だ!と、埼玉北本のリンガーハットに駆け込んだのでした。ちゃんぽんと皿うどんで満腹になり、渋滞にもイライラしなくなりのんびりと埼玉・群馬を北上。夜中になると睡魔が襲ってきて運転を交代しながら峠を越えて新潟までやってきました。


4/27(土)

 朝5時に、新潟の道の駅「あさひ」に到着。さすがにどっと疲れて、1時間程仮眠を取る。道の駅あさひは、温泉スタンドがあって、朝早くから汲みに来ている人もいましたよ。東北(特に秋田)は道の駅が充実していてなかなか便利。道の駅「あつみ」「鳥海山」「にしめ」と休憩を取りながら進みます。道の駅「にしめ」では、菜の花が咲き乱れていて、とても綺麗。菜の花の迷路もあり、菜の花に関するクイズに答えながら迷路を楽しみましたよ。ドライブに疲れた体に、いい気分転換です。


  菜の花畑


 午後1時には、八郎潟資料館に到着。干潟干拓の歴史資料を見てまわりました。

 さて先を急ぎます。海岸沿いを北上しながら、途中の道の駅「はちもり」で名水を発見。「お殿水」というそうだ。なんでも昔、津軽二代藩主の信牧(ノブヒラ)公が大間越えをして八森道を通る際に立ち寄り、ここの湧き水を
飲んで「甘露、甘露!」と誉めたという言い伝えからきているそうです。白神山地から湧き出ているらしい。さっそくペットボトルに水をゲット。冷たくておいしい。今日は晴天で暑いくらいなので、お水がとってもありがたかった。


  お殿水


 さあ今日の目的地、青森県「不老不死温泉」に午後3時に到着。黄金崎温泉は海に沈む夕陽が見られる秘湯として有名な温泉だ。日本海に面していてとても景色の良いところだった。ゴールデンウィーク中とあって、訪れる人はひっきりなし。男性用(混浴?)はひょうたん型の湯船、


   男湯


 最近できた女性用は楕円形の湯船で、お湯はごらんお通り赤茶色。いかにも効能がありそうなお湯の色だ。


  女湯


 お湯につかりながら日本海を眺めると極楽気分。まだちょっと夕日の時間には早いのが残念だったが十分に楽しめた。女性用は勇気がいるのか、みんな覗くだけで入らずに行ってしまう人が多かった。すごく気持ちいいのにい〜もったいない。

 すっかり温泉でリラックスした後は、今夜のキャンプ場探し。近くの深浦町町民の森キャンプ場へ行ってみた。管理人のおじさんに営業しているのかを確認。営業はしているが、利用者が誰もいないらしい。私たちのために、トイレの電気をつけてくれたり、水道の元栓を開けてくれた。夏になると、広いサイトがテントでうまるほど大人気らしいがこの時期の東北は、まだ寒いせいか、物好きは私たちくらいのようだった。長期間使っていなかったようで、最初のうち水が茶色。これではちょっとやばそうなので、しばらく出しっぱなしにしておいた。


  深浦町民の森キャンプ場


 さっそく景色のよい場所にテントを張り、日帰りの温泉施設を探す。近くに「ゆとりの湯」という温泉を見つけて、ドライブの疲れを癒す。近代的な造りでお風呂も数種類あり、なかなかよかった。帰りがけに受け付けのおばさんに近くにスーパーがないかを聞いてみた。国道を少し行ったところにあるとのことだったので、しばらく走ってみたのだが、見当たらない。とうとう町まで戻ってきてしまった。町で歩いていたおじさんにも聞いてみたのだが、何度聞きなおしても東北弁がよく聞き取れず、(目的のスーパーはあると言っているのだけはわかるんだけど)結局行き着けずに、近くの小さな商店に入ったのだった。

 夕方になり、かなり冷え込んできたので、ほうれん草・豚肉・豆腐などを購入して鍋にすることに。会計をしていると、レジのおばさんに「キャンプかい?」って聞かれてしまった。この時期はまだ寒いからたくさん着込みなさいって言われました。お気遣いありがとうごぜいやす。キャンプ場に戻り、夕食の準備。


  夕食の準備


 キャンプ場は高台にあるので、日本海と深浦の漁港が見渡せる。夕日が落ちた後の夜景がすごく綺麗だった。最高のロケーションだ。
そんな中で、あったかい鍋に舌鼓を打って楽しい時間。でも…寒い〜。この時期の東北を甘くみてました。ダウンジャケット持ってきてよかったあ。頭にはタオルを巻いて風を防ぐ。ここは高台のひらけた場所なんで、風も強いし! 炭火が暖かくてありがたかった〜。9時半にはテントに入り、寝袋の中に毛布を入れて、フリースを着込んで就寝。おやすみなさい。



4/28(日)

この日も朝からいい天気。6時半にはテントから起きだしてまだ寒さの残る中、撤収作業を開始。8時にはキャンプ場を後にした。今日は、まず竜飛岬を通り下北半島を目指します。


 千畳敷


 国道101号線を海岸線に沿って北上。鰺ヶ沢町付近の「千畳敷」をちょっと見た後、街道沿いに軒を並べるいか焼きのお店に立ち寄った。軽く干したイカをあぶったものが1杯200円。食べやすい大きさに切ってくれました。あつあつをがぶり。ん〜おいしい〜。塩味も丁度いい。

 そんな感じでドライブを楽しみながら、「津軽海峡冬景色」の歌詞で「ごらんあれが竜飛岬 北のはずれと 見知らぬ人が指をさす」歌われている竜飛岬に到着。青空に青い海が映えてキラキラと輝いている。冬は厳しいのだろうなあと想像された。ここもゴールデンウィークとあって観光客であふれかえっていた。竜飛岬の看板での写真撮影も順番待ち。でもせっかく来たので、近くの方にカメラのシャッターを押してもらいました。


  竜飛岬にて



  竜飛岬のきれいな海の色


 さて、それでは下北半島にむかいましょう。地図を見ると、竜飛岬から下北半島はかなり距離がある。ぐるーっとまわっていかなければならないから。よく見ると、蟹田という所から下北半島にフェリーが出ているようだ。さっそくフェリー乗り場に向かう。フェリーは1日4本。次の便まで3時間近くあった。これだとぐるーっと車でまわっていくのとかわらないので、残念だが今回は乗らないことにした。
青森・平内・野辺地・横浜と通り、15時にむつに到着。下北半島で一番大きな町なので、ここのスーパーで夕食の材料を買い込んだ。

 その後、恐山へと向かう。恐山はおどろおどろしく怖い場所を想像していたのだが、青空のもと、気温も高かったせいか、さほど怖さは感じなかった。


  恐山!


 ここでの目的のひとつは、恐山温泉。男女別の小屋があり、温泉に入ることができる。観光客の姿は多いのだが、温泉に入る人は少ない。タオルを持って入山しているのは私たちくらいだった。それでも男湯は数人の人がいたようだが、女湯はだれもいなかった。(どんなところか覗きにくる人はいたが)お湯はいい湯加減。ほんのり硫黄のかおりはするのだが、お湯は透明だ。のんびりと楽しんだ。が、やっぱり恐山って考えるとちょっと怖いものを感じた。一人だったしね…。汗。汗。


  恐山の女湯です



  一人だとちょっと怖い


 さて今夜は、国設薬研野営場に泊ろう。このキャンプ場は、大畑町と恐山の中間あたりの山の中にある。近くに渓流が流れ、2キロ先には奥薬研温泉「かっぱの湯」(無料)もあり、なかなかいいキャンプ場だ。キャンパーの数も多かった。ファミリーとライダーが半々といったところ。早速場所を決めてテントを設営した。


  国設薬研野営場


 その後「夫婦かっぱの湯」(無料)へ向かった。ここは、男女別の露天風呂があり、眼下には川が流れている。絶好のロケーションだ。ただし大人気なので、かなり混んでいた。ここでは石鹸が使用できないので、ぽかぽかに温まった後、近くの奥野研温泉の「紅葉荘」という旅館で、日帰り入浴させてもらった。

 さて、キャンプ場に戻り夕食の準備。昨日ほどは冷え込んでいない。炭火をおこして、鳥や野菜の炭火焼。&じゃがいもを湯がいてジャガバターに。のんびりと時間をかけての夕食となりました。子連れキャンパーやライダーの数人がいましたが、それぞれ静かにキャンプを楽しんでいるので、とても気持ちよく過ごせました。こんなキャンプ場ばかりだと、多少混んでいても全然オッケーなんですがねえ〜。今日も9時半にはテントに入り熟睡です…


  静かなキャンプサイト



4/29(月)

 今朝はかっぱの湯に入りたかったので早朝5時に向かいました。男性4人程先客がいたのですが、私も入らせてもらうことに。早朝の温泉はほんとに気持ちがいい〜。すっかり温まりました!


  かっぱの湯


 かっぱの湯にも入ったことだし、キャンプ場に戻ろうと車を走らせていると、道路沿いの川のあたりから湯気のたっている場所がありました。もしや温泉があるのでは?と車を止めて下を覗き込んでみると、あった〜!気持ちよさそうな湯船が。しかも2つも。こんこんとお湯が湧き出ています。温度も適温。さっそくGETです。源泉の湧き出ている所を見ると、小さな看板らしきものが。「龍神の湯」と書いてあります。誰もいないし、すごくいい場所を発見しました。ラッキーです。事前に調査せずにこんないい温泉を見つけられてほんとによかった〜。


  竜神の湯全景



  竜神の湯源泉


 さてキャンプ場に戻り軽い朝食を済ませて、7時には出発しました。下北半島を後にして今度は南下していきます。9時半には、道の駅「しちのへ」で休憩。ここで青森名産のにんにくを売っていたので、おみやげに購入。東京のスーパーで青森産のにんにくを買うと高いんですよね。おいしそう。1ネット10個以上入って1000円でした。そして、めずらしい「馬の肉の串焼き」も食べてみました。思ったよりあっさりしてました。

 さて、七戸から十和田湖町を抜けて途中秘湯を守る会の「猿倉温泉」に寄ってみることにしました。今日もお天気がよく、雪の残る八甲田山がとても美しかった。景色を楽しみながらのドライブです。


  綺麗な景色!


 「猿倉温泉」は、うっすらと白濁したいい温泉でした。露天風呂も2個所あり、湯量も豊富。宿のご主人に聞くと、猿倉温泉の源泉を、十和田湖温泉のホテルや旅館まで引いているとのことでした。湯量が豊富だからこそできることですよね。源泉だけに効能ありそうです。


  猿倉温泉女性内湯



  猿倉温泉露天風呂



  猿倉温泉玄関


 温泉でのんびりした後、お腹もペコペコだったので、十和田湖から少し南下した所にある、道の駅 虹の湖公園で昼食。レストランで「冷菜麺」を注文。これがすごくおいしかった。冷麺の上に、レタスやトマト等の野菜がたっぷり載っていて、ごま風味の酸味の利いたタレでいただく。韓国風の辛味噌をちょっと付けて食べると一層美味。近くにおばあちゃん4人のグループが座っていたので、自然と会話が聞こえてくるのだが、内容がさっぱりわからない。外国にいるみたいだった。「嫁」とか「孫」とか「魚屋」などの単語はわかるんだけど、それが
どうしたのかはさっぱり理解できず。意味がわからなくても、なんとなくほのぼのとした気分になってしまったのでした。

 さて、次に目指すのは、秋田県小坂町から、林道を少し入ったところにあるという秘湯「奥々八九郎温泉」だ。ただし、詳しい道順がよくわからないのでたどり着けるかちょっと不安。林道に入り、ダート道をしばらく進むと分岐点。轍を見て左方向に進む。さらに分岐。こちらも左方向に。あっているか不安になったころに、パッと視界が開けた。雰囲気は、まさに北海道の金花湯とそっくり。温泉の周りは白っぽい湯の花の広場のようになっている。

 林道脇に車を停め、早速降りてみた。すると、小さなアブのような虫が数十匹群がってくる。これには参った。急いで温泉の様子を確認。自然のジャグジーのようなブクブクとした泡が湧き出ている。お湯の温度も適温だった。お湯自体は透明に近いのだが、くりぬかれた湯船は茶色い。アブの襲撃におびえながらも、せっかくなのでみのりんは温泉にザブン。私はタオルでみのりんの体を叩きながらアブから守るので大忙し。
天然のジャグジーは気持ちよさそうだった。ただし虫の襲撃があるので日中に楽しむのは難しいかもしれない。しかし、ここもかなりの秘湯の部類に入るだろう。


  奥々八九郎温泉



  ジャグジーのようだ


 さて、念願の秘湯もGETしたので今夜の宿の相談。みのりんが、雑誌で見た「三叉温泉」は、低料金でお料理が大評判という情報を見ていたので、さっそく電話してみた。ゴールデンウィーク中だったので、当日泊まりたいなんて無理かな?って思ったのだが運よくOKをもらった。小坂町から三叉温泉まではかなりの距離があるので先を急がなければ!!

 急ぎながらも、途中道の駅かづのでおみやげを大量に買い込んだ。道の駅にはいくつも立ち寄りながら、全然おみやげを買っていなかったので、大好きな秋田名物稲庭うどんを大量購入。いぶりがっこやリンゴジュース
も買い込んだ。

その後は順調に走り午後6時に三又温泉に到着。山間の鄙びた一軒家。


  三又温泉玄関


 建物の裏手にはニジマスやイワナを養殖している池があり、魚体の大きさによって3段に分かれた池にたくさんいるのが見えた。どうやら宿泊客は、私たちを含めて3組のようだった。食事用の部屋と就寝用の部屋を2つ用意してくれた。のんびりとお風呂をいただいた後は楽しみな食事。テーブル一杯に心づくしの品々が並ぶ。山間の温泉場らしく山菜のお料理も多かった。こごみにぜんまい、蕗にじゅんさい。ニジマスの洗いに、鯉の甘露煮。知らない山菜のおひたしもあって、せっかく名前を教えてもらったのに、すっかり失念してしまった。何だったかなあ…?胡桃餅もおいしかった。しし鍋にいわなのでんぐり返し(いわなをクルッとさかさまにしてフライにしたもの)は骨まで食べられるやわらかさ。アツアツのものを持ってきてくれる心遣いもうれしかった。これで大満足していたのに、「おまけ」と称して、いわなの骨酒までいただいた。う〜おいちい。駄目押しに、「今日お泊りのお客さんだけに特別サービス!」なーんて言って、いわなのお刺身まで!最後におそばも出てきました。もう満腹で食べきれません。かなり長時間粘ってみたんだけど、全部食べきれずに残してしまいました。もうちょっと若ければなあ!
すっかり食べ過ぎた後は、ひとやすみしてもう一度温泉を楽しんでから就寝。おいしいお料理で大満足でした。


  おいしい夕食



  サービスの岩魚の刺身



4/30(火)

 朝食前に最後の温泉を楽しんだ。昨日あれだけ食べたのに、朝食はおかわりまでしてしまった。ふう。ご馳走様でした。
8時半に三又温泉を出発。林道の峠を通っていこうとしたら、途中から道路が雪で埋まっていて断念。やっぱりまだ通行止めでした。残念。引き返して進みます。

 さて南下しながらどこかにいい秘湯がないかと物色。そこで夏油温泉に行ってみることにしました。夏油温泉は岩手県北上市にあり国道107号から山間に入ったところにある。洞窟のようになっていて照明もないという蒸風呂や、ほかにもいくつもの露天風呂が点在している秘湯天国らしい。楽しみに車を走らせていると、夏油スキー場の分岐から先、なんと「通行止め」になっていた。ちゃんと調べなかったミス。帰ってきてチェックしてみたら、5月中旬まで冬季閉鎖とのことだった。残念。

 しかたなく国道に戻り、ひたすら南下。どこかであと1泊するか迷ったのだがこのままひたすら一般道を走り、千葉のC市(みのりんの実家)まで一気に帰ることにした。岩手から宮城と走り、仙台あたりで牛タンが食べたいと思っていたのだが、国道沿いにはそれらしいお店も見あたらなかったのでとうとう仙台を通りすぎてしまった。ランチライムはとっくにすぎていておなかペコペコ。結局福島県に入ってから、街道沿いのカツのお店で一息。もう夕食の時間になっていた。あたりはすっかり暗くなったが、めげずに運転。いわきで温泉に入って
いくことにした。いわき湯元温泉街の中にある「さはこの湯」に。玄関は江戸時代を思わせるような和風な造りになっている。2個所ある駐車場も一杯だった。近所の人もたくさん来ているようだ。入浴料ひとり150円。料金も良心的。単純硫黄泉。ちょっと熱めのお湯だったのでのぼせてしまったらしく、お風呂から上がって着替えていたら、気持ち悪くなってしまい、早々にお風呂を出て、しばらく椅子に腰掛けていた。いいお湯だと思って、欲張って長湯するのは危険ですねえ。しばらく腰掛けていたら気分もよくなり出発しました。

 さて楽しかった東北の旅もそろそろ終わりです。最後の温泉を楽しんだ後はひたすら走りつづけ、午後11時にC市に辿り着きました。お疲れ様でした。